4-3-1.投資対象

投資対象の決め方は不動産投資タイプによって

考え方が大きく異なります。

 

ここではタイプ別に

投資対象をどのように決めていけば良いのか

お伝えしていきます。

 

A.投資家タイプ

 

売却益を得るために

 

購入価格 < 売却想定価格

 

で買うのが原則です。

 

そして、買った瞬間に利益が確定するくらい

安く買うことが重要です。

 

市場価格よりも安く買えるチャンスがあるなら

物件の種類にこだわる必要はありません。

 

投資家タイプのアプローチは

大きく分けて3つあります。

 

パターン1:将来価格が上がる不動産を買って、実際に上がったら売る

 

新しい駅の建設や路線の利便性向上

再開発などが予定されている地域の物件を

早い段階で購入しておきます。

 

チャンスを掴むにはアンテナを張って

常に情報収集をする必要があります。

 

また、物件の特性から価格の上昇が見込める場合もあります。

 

例えば、賃貸中のファミリー物件(区分・戸建)です。

 

賃貸中のファミリー物件は利回りが低い傾向があり

投資用の不動産としては優れていません。

 

空室時の7割程度の値段で取引されます。

 

つまり、賃貸中のファミリー物件を購入し

退去するまで保有して

空室になってから売却することで

 

1つの物件を投資用不動産として見た場合と

実需向け不動産として見た場合の

価格の歪みを狙うことができるのです。

 

いずれも売却して利益を得るまでに

期間を要するのがデメリットです。

 

ただ、融資を活用することができれば

自己資金をほとんど使わずに

実行することができるという

メリットもあります。

 

 

パターン2:不動産を何らかの手段で相場よりも安く買って、相場以上で売る

 

相場より安く取引される可能性がある物件には

次のようなものがあります。

 

1:破産やローンの滞納で差し押さえられた物件

2:相続した物件を相続税支払いのために売却

3;不動産業者が値付けを誤った物件

4:仲介業者が両手仲介を狙っている物件

 

破産や相続の案件はそういった情報が入ってくる所に

アプローチして関係を築く必要がありますが

値付け間違いや両手仲介の物件は

不動産ポータルサイトでも狙うことができます。

 

いつそういった物件が出てきてもいいように

相場観を普段から養っておく必要があります。

 

パターン3:不動産を本来の価値よりも安く買って、本来の価値以上で売る

 

・好立地の築古アパート

・容積率や建ぺい率を使い切っていない物件

・借地権

・再建築不可

 

こういった物件の中には

本来の価値よりも低い価格で

売りに出されることがあります。

 

物件の価値を主観やイメージで判断したり

法律がよくわからず

その価値に気づかない人がいるからです。

 

得意分野を作り

そこに照準を絞って探していれば

価格が低く設定されている物件が

見つかる可能性はあります。

 

 

B.経営者タイプ

 

キャッシュフロー:家賃収入―(運営経費+ローン返済+税金)

 

を黒字に保つことを最優先にして

投資対象を決めます。

 

検討するポイントは次の3つです。

 

検討ポイント1:価格帯

 

「1億円の物件を買うと年間200万円残る」

 

を基準にして、

 

目標額を達成するためには

投資規模がいくら必要なのかを

計算してください。

 

そして、その投資規模を

どのくらいの物件数で

達成するのかを決めておきます。

 

手残り重視(手間減・リスク増)なら

価格を上げて物件数を少なくし

リスク分散するなら価格を下げて

物件数を多くします。(手間増・コスト増)

 

価格帯が上がれば上がるほど

収益は大きくなりますので

目標達成のスピードが早くなります。

 

許容できるリスクと天秤にかけて

いくらくらいの物件を狙うかを

決めてください。

 

 

検討ポイント2:エリア

 

エリアについては誤解している方が

多いと感じていますので

ひとつ大切な話をします。

 

ある製鉄所の中に、少なくとも

30、40年前から営業していると思われる

ボロボロの売店があります。

 

店の中には汚い木の机と

脚のさびたパイプ椅子が

30脚ほど置いてあって

 

買ったものをその場で食べられるように

なっているのですが…

 

この売店は儲かると思いますか?

 

「そんな情報だけでわかるわけないじゃないですか」

「それがエリアの話と何か関係があるんですか?」

 

はい、あります。

 

この話には、エリア選定についての

重要な“ヒント”が隠されています

 

もう少し話を進めますね。

 

この売店ではお昼時になると

異様な光景が見られます。

 

例えば、近所のスーパーで買えば

128円で買えるカップラーメンが

200円で売られています。

 

しかもお湯を入れると

さらに10円取られます。

 

コンビニでお湯を入れたら

タダですよね?

 

他にもおにぎりやお弁当など

色々な食べ物が売られていますが

価格は平均してスーパーの1.5倍です。

 

それなのにお昼時になると

次から次へと人がやってきて

 

12時から13時の間は

30席ほどの飲食スペースが

常に満席です。

 

正直、ボロ儲けです。

 

普通に考えたら異常だと思いますよね。

 

では、なぜここに来る人たちはわざわざ

高いお金を払って、しかも汚い所でも

構わず食事をするのでしょうか?

 

ちょっと考えてみて下さい。

 

なぜそんな“ボッタクリ”とも言える

商売が成り立つのでしょうか?

 

 

 

正解は…

 

そこで食べるしかないから

 

です。

 

どういうことか説明します。

 

まず、その製鉄所は広さが

甲子園球場の約156倍です。

 

とても歩いて移動できるような

広さではありませんし

車を使っても外に出るのに一苦労です。

 

そして、

 

その中には製鉄所で肉体労働をする

男性が1000人以上います。

 

食事の時間になるとみんな腹ペコで

今すぐ食べたい人達ばかりです。

 

時間が限られたお昼休憩で

外に出て食べる時間はありません。

 

製鉄所内の売店で食べるしかないのです。

 

ですから、値段が高くても

汚くてもそこで食べるんです。

 

さて、ここで気づいて頂きたいのは

 

商売が成功するかどうかは

商品ではなく『需要』で決まる

 

ということです。

 

そこに強烈な欲求さえあれば

高くても、条件が悪くても

 

人は買うのです。

 

これを不動産投資に置き換えると

商品は部屋です。

 

需要は

 

「そこに住みたい」

 

という欲求です。

 

そこに住みたい人に

部屋という商品を提供して

その対価としてお金(賃料)を頂く

 

これは売店と同じで商売、

つまり『事業』です。

 

「家賃収入はインカムゲインではない」

 

とお伝えしたのを覚えていますか?

 

家賃収入を目的とする不動産投資を

株と同じような投資と捉えて

物件情報や数字、データに頼ると

おそらく失敗します。

 

どんなに素晴らしい物件を建てても

そのエリアに住みたい人がいなければ

成り立ちません。

 

多くの人が

 

失敗しない物件

儲かる物件

 

を探そうとしますが

 

物件に焦点を当ててしまうと

なかなかうまくいきません。

 

物件が先にあるのではなく

「そこに住みたい」というニーズが先です

 

物件取得サポートをしていて

 

「この物件どうですか?」

 

という質問を受けることが多いのですが

プロであっても物件の情報だけでは

さすがに判断ができません。

 

そのエリアがどんなところなのか

そこにある『需要』を把握して初めて

その物件で良いかが判断できます。

 

「製鉄所にあるボロボロの売店」

 

という情報だけでは、儲かるかどうか

判断できなかったのと同じです。

 

製鉄所やそこで働く人たちのことを

理解して初めて、その売店が儲かる

理由がわかったはずです。

 

 

物件を調べる前に

そこに住みたいと思う

“人”のことを調べてください

 

 

つまり、投資戦略の段階でやるべきことは

 

どのエリアに詳しくなるか?

 

を決めることなのです。

 

 

エリアに詳しくなるとはどういうことか?

 

 

エリアについて調べる時は

3つのことを意識してください。

 

調査ポイント①:賃貸需要

 

「そこに住みたい」

 

と思う人はどんな人なのか?

 

・年代

・職業

・性別

・家族構成

・ライフスタイル

 

などを調査します。

 

また、賃貸需要は

 

・都市開発

・今の需要を生み出しているものの変化

(学校の移転、工場の建設/閉鎖など)

 

などによって変わります。

 

こういった賃貸需要の変動要素がないかを調べて

 

もしあった場合は、それによって

 

人の流れがどのように変わるか

 

に着目してください。

 

すると、そこに生じるチャンスやリスクが見えてきます。

 

 

調査ポイント②:需要に合う物件の条件

 

そこに集まる人の具体的なイメージができたら

その人が好む物件はどのようなものかを考えます。

 

特に重要なのは

 

・立地(交通/利便性)

・部屋(間取り/面積)

・賃料

 

です。

 

ほぼ全ての人が、立地は気にしていますが

部屋とセットで考えている人

意外と少ないと感じています。

 

「そのエリアに住みたい人はどんな人なのか」

 

を調べた上で

 

「その人にぴったりの部屋はこういう部屋だ」

 

と考えなければならないのです。

 

そのエリアに住みたいと思う人が

どんな生活を望んでいるかさえわかれば

 

そのエリアでどんな物件なら借り手がつくか

自然と見えてくるはずです。

 

 

調査ポイント③:需要と供給のバランス

 

賃貸需要とそれに合う物件のイメージがついたら

そのような物件がどのくらいあるのか

需要と供給のバランスを調べます。

 

賃貸需要を見つけたとしても

それをターゲットにした物件が

すでにたくさん存在するなら入居者集めで

苦戦する可能性が高くなります。

 

 

エリア選定で忘れてはいけないこと

 

 

「そもそも詳しくなるエリアは

どうやって決めたらいいんですか?」

 

もしかしたらそんな疑問がわいてきたかもしれません。

 

「とりあえず東京23区内で人気のある駅」

 

のように考える方も多いですが

そういうエリアはみんな狙っているので

成功できる確率は高くありません。

 

実際に取り組むときは

次の3つの条件を満たすエリアから始めると良いです。

 

条件1:土地勘があるところ

 

行ったことのない、全く知らないエリアのことを

イチから調べるのは大変です。

 

統計を調べたり、実際に行ってみたり

その周辺で賃貸管理をしている会社に

ヒアリングするなど時間と労力がかかります。

 

ですから、これまでの人生で

生活したことのあるエリア付近を選びましょう。

 

 

条件2:行くのが苦ではないところ

 

物件の情報が出てきたときに

すぐに見に行ける場所のほうが

購入の判断が早くできます。

 

また、最終的に判断するまでには

曜日や時間を変えて

何度か見に行く可能性があります。

 

そう考えた場合、今生活している場所から

なるべく近いところのほうがやりやすいです。

 

また、実際に購入することになった場合

管理会社やリフォーム会社の開拓も

しなければなりません。

 

そのあたりを自分でやるなら

会社を一度は訪問したほうがよいので

やはり近いほうがやりやすいです。

 

条件3:地縁があるところ

 

実家のあるところや過去に住んでいた地域で

不動産投資をすると2つのメリットが得られます。

 

1つ目は、物件の情報が入りやすい

という点です。

 

物件情報の中にはインターネットに

公開されないものがあります。

 

特にエリアに根付いた地場の不動産会社は

その傾向が強く、古くから付き合いのある

地元の人間や知り合いに話を持っていくこと

が少なくありません。

 

全く地縁のない人間がそういった情報を

回してもらおうとしても

 

「よそ者は帰れ」

 

と言われるのがオチです。

 

その他大勢のライバルが知らない

格安物件の情報を手に入れるためには

あなたが慣れ親しんだ土地で

活動することが近道なのです。

 

そして、もう1つのメリットが

融資を受けやすいということです。

 

親兄弟、親戚が取引したことがある

地元の金融機関へ相談すれば

有利な条件で融資を受けられる

可能性があります。

 

特に信用金庫はその土地の人間に

好意的になる傾向があります。

 

 

検討ポイント3:銀行の評価

 

繰り返しになりますが、キャッシュフローは

 

家賃収入―(運営経費+ローン返済+税金)

 

です。

 

ローンの返済額は、借入金額が同じであれば、

 

・返済期間が長い

・金利が低い

 

ほうが、月々の返済額は少なくなります。

 

有利な条件で融資を受けるには

金融機関の融資基準の考え方を知った上で

自分が取れる対策を取っていく必要があります。

 

金融機関によって基準が異なりますが

一般的に金融機関の融資基準は

大きく3つに分類されます。

 

ここでは物件に関する部分を解説していきます。

 

金融機関の物件評価

 

物件に対して金融機関が考えることは次の2つです。

 

1:儲かる物件か(事業として成り立つか)

=物件の収益力:収益還元評価

 

2:返済ができなくなった場合、抵当権を実行して物件を競売にかけたときにお金を回収できるか

=土地と建物自体の価値:積算評価

 

このように、銀行の融資基準には「収益還元評価」と「積算評価」の2種類があります。

(実際には「原価法」と「取引事例比較法」という評価法もありますが、割愛します)

 

現在、銀行が特に重視するのが『積算評価法』です。

土地の積算評価額と建物の積算評価額を合算して不動産の価値を算出する方法です。

 

積算評価額=(土地の積算評価額+建物の積算評価額)

 

土地の積算評価額の算出方法は、その土地の

 

前面道路の路線価×面積

 

が基本となります。

 

「路線価」は毎年7月に国税庁が公表する

相続税や贈与税の計算基準となる㎡当たりの単価のことです。

 

全国地価マップで簡単に調べることができます。
http://www.chikamap.jp/

 

 

最初のページの左上に「文字列で探す」という検索ボックスがあるので、ここに物件の住所を入れてください。

 

 

以下のページは東京都新宿区西新宿1丁目の路線価です。

 

 

路線価は千円/㎡で表示されています。

 

2070Aは、207万円/㎡で、借地の場合は評価額が90%になるという意味です。

 

さらに土地の形状や道路との接し方などを加味(個別補正)して、評価額を計算します。

これを式にするとこうなります。

 

土地の積算評価額=路線価×土地面積×個別補正

 

次に建物の積算評価の計算方法です。

 

建物の積算評価額=再調達価格×建延面積×(耐用年数-築年数)÷耐用年数

 

再調達価格は「評価する建物をいま新築した場合の建築費用の平米単価」で、各銀行が独自に決めます。

 

耐用年数は国税庁の定める法定耐用年数と

銀行が独自に定める経済的耐用年数があります。

 

経済的耐用年数は、法定耐用年数より

短めに設定されていることが多いようです。

 

構造

再調達価格

(㎡当り)

法定耐用年数 経済的耐用年数(目安)
木造 12~16万円 22年 20年
軽量鉄骨造 12~17万円 19~27年 20年
鉄骨造 15~18万円 34年 30年
鉄筋コンクリート(RC)造 18~22万円 47年 40年

 

このようにして算出された「土地積算評価額」と「建物積算評価額」を合算したものが

「積算評価額」となります。

 

この積算評価額は、実際に取引される売買価格とは異なる場合がほとんどです。

 

土地も建物も、都市部のほうが地方や郊外に比べて売買価格が積算評価額より高くなる傾向にあります。

 

都市部  : 売買価格 > 積算評価額 → 評価額よりも高く取引される傾向がある

地方・郊外: 売買価格 < 積算評価額 → 評価額よりも安く取引される傾向がある

 

この売買価格と積算評価額の相違が

融資を使って不動産を買い進めるときの

ポイントとなります

 

建物の積算評価を上手に使う

 

ローンの返済期間は建物の耐用年数から割り出されます。

 

例えば、RCの建物の耐用年数は47年です。

 

築20年だとしても、理論上はあと27年は

耐用年数が残っていることになります。

 

土地いっぱいに建つRCマンションであれば

建物の積算評価が出やすく返済期間が長くとれるため

利回りがそれほど高くなくてもキャッシュフローは残ります。

 

ただ、金融機関によって耐用年数の見方が違います。

 

同じ物件でも融資期間を27年引ける金融機関もあれば

10年しか引けない所もあります。

 

仮に1億円の借り入れ(金利3%)の場合

融資期間が27年だと月々の返済は450,700円

返済期間が10年だと月々の返済は965,607円です。

 

購入する物件が利回り10%の物件だとすると、年間の家賃収入は1000万円です。

 

これを月々にすると83.3万円です。

 

45万円の返済と96万円の返済では

キャッシュフローがまったく違います。

 

長い融資を組むと返済額のトータルは増えます。

 

しかし、月々の手残りで考えると返済期間の長いほうが

圧倒的にキャッシュフローは残るのです。

 

積算評価の落とし穴

 

融資を付けるにあたっては、積算評価が大切ですが

キャッシュフローを重視する不動産投資の場合

積算評価を重視しすぎると失敗につながる可能性があります。

 

積算評価が高くても、収益還元評価が低い場合は注意が必要です。

 

土地や建物自体の価値は高いにもかかわらず

キャッシュフローは低いということです。

 

銀行からすれば、仮に返済ができなくなっても

競売にかけて高く売れる見込みがあるので

ある程度は安心です。

 

しかし、買う側からすれば

毎月のキャッシュフローが悪くてお金が残らないので

返済が苦しい展開になってしまいます。

 

「積算価格が高いから、売る時も融資が付いて売れやすいから問題ない」

「毎月の返済は苦しくても、売った時に利益が出るから大丈夫」

 

とおっしゃる方もいらっしゃいますが、その考え方は危険です。

 

なぜなら、10年後、20年後にその物件が

いくらで売れるかは誰にもわからないからです。

 

基本的に不動産は時間の経過と共に価値が下がるものです。

 

毎月の支払いが苦しく、危険な状態を何年も耐えながら

いくらで売れるかわからない未来をあてにするのはお勧めできません。

 

これでは何のために不動産投資をしているのかが

わからなくなってしまいます。

 

毎月手元に今の給料以上のお金が残ることを目指して

不動産投資を始められたはずです。

 

逆に積算評価が低い(売値と離れている)場合でも

収益が回っているのであれば問題ないでしょう。

 

収益が回るということは、あなたの

『賃貸経営の成績が良い』

ということになります。

 

その結果は「確定申告書」に表れ

その後物件を買い進めていく上で

プラスに評価してもらえます。

 

ですので、

 

「融資が引ける物件を買う」のではなく『儲かる物件に融資を引く』

 

ことを肝に銘じてください。

 

特に、ローンと物件をセット販売しているような業者には注意が必要です。

 

「フルローンが付きます」

「自己資金ゼロで買えます」

 

のような魔法の言葉で、キャッシュフローが出ない物件を販売しています。

 

本当に大事なのは、融資が受けられることではなく

不動産オーナーになることでもなく、

キャッシュフローが出ることです。

 

しつこいですが、ここを間違えないようにしてください。

 

検討ポイント4:長期で融資が引けるか

 

目指すは「長期・低金利」ですが

特に融資期間が重要です。

 

融資期間が短いと

月々の返済額が大きくなるため

当然お金は残りにくくなります。

 

融資期間は法定耐用年数をもとにして

金融機関内で厳格に定められています。

 

耐用年数が短ければ短いほど

建物の価値は下がると考えられるので

 

耐用年数がどれだけ残っているか

 

が長期で融資を受ける際に重要になってきます。

 

築浅RCの物件が、長期で融資を受けやすいです。

 

実は、耐用年数切れ物件でも

融資をしてくれる金融機関はあります。

 

ただ、金利が高くなるので

高利回りで状態が良い物件に限られます。

 

 

C.再生事業家タイプ

 

何らかの原因で価値が下がっている物件を買い

自分で物件の価値を高めてから売却したり

賃貸に出して毎月の収入を増加させます。

 

この「何らかの原因で価値が下がっている物件」ですが

次のようなものがあります。

 

・入居率が低いアパート

 

空室が多いアパートは指値が通りやすく

満室にできれば商品として

高く売れる可能性が高いです。

 

『空室になっている原因が解決できるものなのか』

 

を見極めることがポイントです。

 

・物件がボロボロ

 

リフォームの知識や安く施工する技術・労力・人脈が必要です。

 

また、再生した物件に需要がなければ意味がありませんので

再生ノウハウだけでなく

 

「どのように再生すれば需要にマッチするか」

 

というエリアのリサーチもポイントになってきます。

 

・再建築不可

 

再建築不可の物件は安く市場に出ることが多いので

リフォームやリノベーションなどで高利回り物件に

変わる可能性があります。

 

そもそも再建築不可とは

「建築基準法上の道路に2m以上接すること」

という接道義務を果たしていない状態です。

 

周辺の土地を買い取って

接道義務を果たすことができれば

資産価値が高まり

高く販売することができます。

 

ただ、近隣住宅の変化のタイミングを狙ったり

近隣住民と交渉が必要になりますので

ハードルは高いです。

 

・好立地の築古アパート

 

老朽化した建物に資産価値は

ほとんどありませんので

物件を買うというよりは

土地を買うイメージです。

 

入居者の方が全員退去すれば

取り壊してアパート用地として

売却したり、建て替えることができます。

 

購入前に出口を見極めて

最終的に利益が出る計画を立て

実行するノウハウが必要になります。

 

 

ここに挙げたのはほんの一例ですが

このような狙い目には

専門業者が存在するもの多数もあります。

 

本やセミナーでよくある

 

「5万円で買った物件を1000万円で売却」

「利回り200%」

 

のような聞いてワクワクする話は

こういった“狙い目”に関するものが

ほとんどです。

 

実際に取り組む場合は

 

1.1つの分野に絞る(その分野を極める)

2.エリアを限定する(ライバルがいない、活動できる範囲)

3.協力してくれる専門家・パートナーを探す(全部一人でやろうとしない)

4.安い物件で経験を積む(儲けより経験重視)

 

が必須条件となります。

 

 

D.資産家タイプ

 

キャッシュフローは重要視せず

価値が下がらない物件を対象にします。

 

具体的には

 

昔から人気があって土地の値段が高いエリア

 

ということになります。