2-1.戦略を立てるのに必要な2つの要素

3年以内に年間手残り1000万円
という同じ目標を持った
AさんとBさんがいるとします。

Aさんは高学歴で上場企業の部長職
既婚者で使える時間は1日1時間
年収1500万円で貯金が500万円
とします。

どんなふうに取り組めば
目標を達成できそうでしょうか…?

まず、使える時間が少ないので
自分の代わりに動いてくれる人を
どれだけ集められるか
がポイントになってきます。

例えば、学生時代の友人をあたって
税理士や弁護士、銀行勤めの人がいれば
協力してもらえるかもしれません。

同僚や取引先で同じような
属性、資産状況の人の中から
不動産投資で成功している人を探して
パートナーを紹介してもらうのも手です。

そして、融資が受けられそうなので
規模の大きい物件を買い進めて
キャッシュフローを重視した
取り組みが基本戦略になりそうです。

一方、Bさんは独身でニート、
使える時間は24時間、実家暮らしで
貯金が500万円あるとします。

Bさんは融資が受けづらいので
現金で買える物件を探すことになるでしょう。

短期間で大きな利益を得るには
価格帯の低い物件を
できるだけ安く買って高く売り
売却益を狙うしかありません。

時間があるので、物件探しや
不動産会社との関係づくりに
多くの時間を費やせますし

自分でリフォームをすれば
コストも削減できます。

足を使い、手を動かす。

時間の使い方次第で
目標を達成できるかが決まるでしょう。

このように、同じ目標を達成する場合でも

・使える時間
・使えるお金
・持っているスキル、知識、人脈
・持っている情報
・信頼度(属性、資産状況)

これらの『リソース』によって
取り組み方(=戦略)は全く変わってきます。

つまり、

・目標設定
・リソースの洗い出し

この2つが戦略を立てるはじめの一歩なのです。

2-2-1.リソースを棚卸しする

目標が同じでも、今のあなたに
どのようなリソースがあるのかによって
取るべき行動やアプローチが変わってきます。

不動産投資はライバルとの物件の奪い合いです。

自分が持っているリソースを
最大限に活用しなければ
なかなか勝つことは出来ません。

戦略を立てる前に、
今自分が活用できるリソースには
どんなものがあるのか整理しておきましょう。

リソースは次の項目について考えてください。

1:資産

今持っている不動産や金融資産だけでなく
経済的な価値のあるものをできるかぎり書き出してください。

現金以外のものは売って
自己資金に充てることも検討しますので
売ってお金になるようなものを含めて
思いつく限り書き出してください。

2:人脈

ここでいう人脈とは、

・自分が困った時に助けてくれる人
・自分のために行動を起こしてくれる人

のことです。

・家族
・親族
・友人
・取引先
・ビジネスパートナー

といった切り口で挙げてください。

不動産投資と直接結びつかない人でも構いません。

3:時間

月曜日から日曜日まで、
それぞれどのくらい不動産投資に
時間を割けるかを数字で出してください。

時間があれば、多少手間のかかる物件でも運用できます。

しかし、時間がなければ
手間のかからない物件やチーム作りを
優先しなければなりません。

また、やるべきことがたくさんある中で

「自分で対応する範囲」

を考える上でも、

自分が使える時間を意識することは重要です。

4:知識・経験・スキル

専門スキルや得意分野は
パートナーとの関係づくりで活かせることがあります。

毎月の家賃収入を得るための不動産投資は事業です。

事業にはパートナーが必要で、
パートナーとの関係づくりの秘訣は
Win-Winの関係になることです。

そのためには相手に何らかの価値を与えることが大切です。

これは実際にあったことですが、

プレゼンテーションの得意な方が
あるセミナーの資料作りをサポートしてくださり
とても助かったことがあります。

その方には物件を優先してご紹介したり
今も良いご関係を続けさせて頂いています。

与えられる価値が無ければお金を払うしかありません。

仕事だけでなく、プライベートも含めて

「自分はどんなことで力になれるのか?」

一度よく考えてみてください。

5:信頼度

属性や不動産投資での実績がこれにあたります。

融資を受ける場合も、
協力してもらう専門家と関係を築く上でも
あなたが信頼できる人物なのかが重要です。

金融機関や不動産会社をはじめとする関係者から見て
あなたの信頼性につながるものにはどんなものがあるか
洗い出してみてください。

2-3-1.目標を設定する

目的が明確になったら
そこから逆算して目標を設定します。

不動産投資の目標は

・いつまでに(期限や期間)
・いくら(金額)

の2つの観点で設定しましょう。

目標はより具体的に、

「3年以内に年間手残り1000万円」
「5年以内に現金3000万円」

のように数字で表すことが大切です。

ただし、

目的に沿った具体的な使い道から金額を積み上げて
本当に必要な金額を導き出してください。

一番大切なことは

『自分の心の声が反映された目標』

になっているかということです。

目標が具体的になったら
達成する期限を明確にします。

期限がないということは、
達成する必要性がないということです。

そのような目標は達成できずに終わることがほとんどです。

これはひとつの指標ですが

税引き後の手残りで
年間1000万円を達成するには
5億円の規模が必要

というのがあります。

目標金額と期間によって
購入する物件の価格帯や
投資規模が変わってきます。

最後に、目標を設定したら
棚卸ししたリソースをふまえて
現実的な目標になっているか
チェックしてください。

例えば、

・50歳
・東京でタクシー運転手をしている
・借金が500万円

という状態から不動産投資で

「1年以内に現金1億円」

は正直難しいと思います。

無理な目標は、ただの
“願望”で終わってしまいます。

ですので、

なるべく現実的な期間と金額を
設定してください。

その目標を達成したときに
また次の目標を立てれば良いのですから。