4-1-1.投資戦略を立てる

これまでのワークを通じて

投資戦略を立てるのに必要な

 

・不動産投資タイプ

・リソース

・目標

 

の3つが出揃いました。

 

ここからは実際に投資戦略を立てていきます。

 

投資戦略は次の順番で考えると

やるべきことがはっきりしてきます。

 

1:資金調達

2:投資対象

3:融資

4:節税

5:支援者

6:情報源

 

ここまでのワークシートを見ながら

ひとつずつ考えていきましょう。

 

 

 

 

2:情報源

物件の情報をどこからどうやって入手するかです。

物件を探すときは、

あなたの購入基準に見合う物件の情報がある所に

アプローチしなければなりません。

ネットで探すのか、

業者に紹介してもらうのか、

業者であればどこがいいのか?

そもそも条件に見合う物件の情報が入る可能性の無い所に いくらアプローチしても時間の無駄です。

情報源の選び方とアプローチの仕方は 極めて重要です。

どんなにお金があっても

どんなに買う準備が整っていても

 

買うに値する物件の情報がなければ

不動産投資を始めることができません。

 

4:税金対策

不動産投資のように金額の大きい投資では 税金は収益に大きなインパクトを与えます。

ただ、税金対策というと 「物件を買ってから考えればいいんでしょ?」 と思うかもしれませんが

実は、買う前から対策を始めなければ遅いです。

節税効果が高い施策の中には 一度タイミングを逃すと 難しくなってしまうものがあります。

節税は物件探しとは違って 取り組めば確実に成果が出ます。

購入前にやるべき節税対策は 一番最初に学んでおくべきです。

5:支援者

多くの投資家の方が見過ごしているのが 支援者の存在です。

不動産投資は全て自分一人でやるには カバーする範囲が広すぎます。

・情報収集 ・現地調査

 

・物件の見極め

・金融機関開拓

・契約などの手続き

・入居者募集

・管理

・入居者対応

・リフォーム

これら全てについて詳しくなろうと思ったら

何年あっても足りません。

自分にできないこと、自分に足りないものを 支援者で補うことができなければ 成功するのは難しいです。

・情報収集してくれる不動産会社 ・客観的なアドバイスをくれるコンサルタント ・運営を任せる管理会社 ・不動産投資に詳しい税理士 ・不動産投資に詳しい弁護士

・家族 ・友人

優秀で信頼できる人たちに

どれだけ協力してもらえるか

が不動産投資の成否を分ける

と言っても過言ではありません。

 

 

 

4-2-1.資金調達

当たり前の話ですが、

持っているお金以上の物件は買えません。

 

融資を受ける場合も

物件価格の1〜3割程度の

自己資金が必要になることがほとんどです。

 

「優良物件が出てきたのに

資金が足りなくて買えなかった」

 

という時ほど残念なことはありません。

 

しかし…

 

自己資金が多いことによるメリットは

買える物件の幅が広がることだけではありません。

 

例えば、次のようなものもあります。

 

 

1:目標達成のスピードが早くなる

 

一般的に価格帯が大きければ大きいほど

家賃収入や売却益も大きくなります。

 

1億円の物件が1億2000万円で売れることはあっても

1000万円の物件が3000万円で売れることは

まずないでしょう。

 

目標を早く達成するには

自己資金を増やして

価格帯の大きい物件を買うのが有効です。

 

 

2:良い物件が買える可能性が高まる

 

物件を紹介する不動産会社にとっては

紹介した物件を買ってもらわなければ

仲介手数料が入りません。

 

物件の紹介はボランティアではなく

ビジネスですので

 

熱心だけどお金がない人

 

 

熱心でなくてもお金を持っている人

 

では、どうしても後者を

優先してしまいがちです。

 

ですから、自己資金が多く

 

「買える人」

 

でなければ、良い紹介は

なかなか受けられないのです。

 

また、物件の購入ルートによっては

融資が使いづらいものがあります。

 

例えば、競売や任意売却案件のように

短期間での現金決済が求められるものです。

 

自己資金が豊富であれば

融資前提の人が参入できない

購入ルートを狙うことで

 

良い物件を購入できる可能性を

高めることができます。

 

 

3:手間と失敗するリスクを減らせる

 

不動産投資、特に家賃収入を目的とする場合は

やらなければならないことが多岐に渡ります。

 

自分で全部やっていたら

体がいくつあっても足りません。

 

建物管理や入居者対応などは

賃貸管理会社にお願いするケースが

少なくありませんが、

 

それ以外にも

 

物件探し

物件調査

金融機関開拓

買付

契約

リフォーム

法務

税務

 

など、専門家に任せようと思えば

任せられる分野がたくさんあります。

 

専門家に任せることで自由な時間ができたり

失敗するリスクを減らすことができます。

 

当然報酬が必要なので

資金力があればあるほど

「任せる」という選択肢を

選びやすくなります。

 

 

このように、現金で買うにしても

融資を受けて買うにしても

自己資金がどれだけあるかは

とても重要なんです。

 

というわけで

投資戦略立案の第一ステップは

 

「資金調達」

 

です。

 

今の自分の貯金を前提にするのではなく

 

「どうすれば資金を増やせるか」

 

という視点を持つことは大切です。

 

不動産投資で成功した方の中には

 

最初の物件を購入した時の資金は

親族から借りた

 

という方もいらっしゃるようです。

 

「親族に借金して資金を作ってください」

 

とまでは言いませんが

ワークを活用して

自己資金を増やす戦略を立てましょう。

 

4-3-1.投資対象

投資対象の決め方は不動産投資タイプによって

考え方が大きく異なります。

 

ここではタイプ別に

投資対象をどのように決めていけば良いのか

お伝えしていきます。

 

A.投資家タイプ

 

売却益を得るために

 

購入価格 < 売却想定価格

 

で買うのが原則です。

 

そして、買った瞬間に利益が確定するくらい

安く買うことが重要です。

 

市場価格よりも安く買えるチャンスがあるなら

物件の種類にこだわる必要はありません。

 

投資家タイプのアプローチは

大きく分けて3つあります。

 

パターン1:将来価格が上がる不動産を買って、実際に上がったら売る

 

新しい駅の建設や路線の利便性向上

再開発などが予定されている地域の物件を

早い段階で購入しておきます。

 

チャンスを掴むにはアンテナを張って

常に情報収集をする必要があります。

 

また、物件の特性から価格の上昇が見込める場合もあります。

 

例えば、賃貸中のファミリー物件(区分・戸建)です。

 

賃貸中のファミリー物件は利回りが低い傾向があり

投資用の不動産としては優れていません。

 

空室時の7割程度の値段で取引されます。

 

つまり、賃貸中のファミリー物件を購入し

退去するまで保有して

空室になってから売却することで

 

1つの物件を投資用不動産として見た場合と

実需向け不動産として見た場合の

価格の歪みを狙うことができるのです。

 

いずれも売却して利益を得るまでに

期間を要するのがデメリットです。

 

ただ、融資を活用することができれば

自己資金をほとんど使わずに

実行することができるという

メリットもあります。

 

 

パターン2:不動産を何らかの手段で相場よりも安く買って、相場以上で売る

 

相場より安く取引される可能性がある物件には

次のようなものがあります。

 

1:破産やローンの滞納で差し押さえられた物件

2:相続した物件を相続税支払いのために売却

3;不動産業者が値付けを誤った物件

4:仲介業者が両手仲介を狙っている物件

 

破産や相続の案件はそういった情報が入ってくる所に

アプローチして関係を築く必要がありますが

値付け間違いや両手仲介の物件は

不動産ポータルサイトでも狙うことができます。

 

いつそういった物件が出てきてもいいように

相場観を普段から養っておく必要があります。

 

パターン3:不動産を本来の価値よりも安く買って、本来の価値以上で売る

 

・好立地の築古アパート

・容積率や建ぺい率を使い切っていない物件

・借地権

・再建築不可

 

こういった物件の中には

本来の価値よりも低い価格で

売りに出されることがあります。

 

物件の価値を主観やイメージで判断したり

法律がよくわからず

その価値に気づかない人がいるからです。

 

得意分野を作り

そこに照準を絞って探していれば

価格が低く設定されている物件が

見つかる可能性はあります。

 

 

B.経営者タイプ

 

キャッシュフロー:家賃収入―(運営経費+ローン返済+税金)

 

を黒字に保つことを最優先にして

投資対象を決めます。

 

検討するポイントは次の3つです。

 

検討ポイント1:価格帯

 

「1億円の物件を買うと年間200万円残る」

 

を基準にして、

 

目標額を達成するためには

投資規模がいくら必要なのかを

計算してください。

 

そして、その投資規模を

どのくらいの物件数で

達成するのかを決めておきます。

 

手残り重視(手間減・リスク増)なら

価格を上げて物件数を少なくし

リスク分散するなら価格を下げて

物件数を多くします。(手間増・コスト増)

 

価格帯が上がれば上がるほど

収益は大きくなりますので

目標達成のスピードが早くなります。

 

許容できるリスクと天秤にかけて

いくらくらいの物件を狙うかを

決めてください。

 

 

検討ポイント2:エリア

 

エリアについては誤解している方が

多いと感じていますので

ひとつ大切な話をします。

 

ある製鉄所の中に、少なくとも

30、40年前から営業していると思われる

ボロボロの売店があります。

 

店の中には汚い木の机と

脚のさびたパイプ椅子が

30脚ほど置いてあって

 

買ったものをその場で食べられるように

なっているのですが…

 

この売店は儲かると思いますか?

 

「そんな情報だけでわかるわけないじゃないですか」

「それがエリアの話と何か関係があるんですか?」

 

はい、あります。

 

この話には、エリア選定についての

重要な“ヒント”が隠されています

 

もう少し話を進めますね。

 

この売店ではお昼時になると

異様な光景が見られます。

 

例えば、近所のスーパーで買えば

128円で買えるカップラーメンが

200円で売られています。

 

しかもお湯を入れると

さらに10円取られます。

 

コンビニでお湯を入れたら

タダですよね?

 

他にもおにぎりやお弁当など

色々な食べ物が売られていますが

価格は平均してスーパーの1.5倍です。

 

それなのにお昼時になると

次から次へと人がやってきて

 

12時から13時の間は

30席ほどの飲食スペースが

常に満席です。

 

正直、ボロ儲けです。

 

普通に考えたら異常だと思いますよね。

 

では、なぜここに来る人たちはわざわざ

高いお金を払って、しかも汚い所でも

構わず食事をするのでしょうか?

 

ちょっと考えてみて下さい。

 

なぜそんな“ボッタクリ”とも言える

商売が成り立つのでしょうか?

 

 

 

正解は…

 

そこで食べるしかないから

 

です。

 

どういうことか説明します。

 

まず、その製鉄所は広さが

甲子園球場の約156倍です。

 

とても歩いて移動できるような

広さではありませんし

車を使っても外に出るのに一苦労です。

 

そして、

 

その中には製鉄所で肉体労働をする

男性が1000人以上います。

 

食事の時間になるとみんな腹ペコで

今すぐ食べたい人達ばかりです。

 

時間が限られたお昼休憩で

外に出て食べる時間はありません。

 

製鉄所内の売店で食べるしかないのです。

 

ですから、値段が高くても

汚くてもそこで食べるんです。

 

さて、ここで気づいて頂きたいのは

 

商売が成功するかどうかは

商品ではなく『需要』で決まる

 

ということです。

 

そこに強烈な欲求さえあれば

高くても、条件が悪くても

 

人は買うのです。

 

これを不動産投資に置き換えると

商品は部屋です。

 

需要は

 

「そこに住みたい」

 

という欲求です。

 

そこに住みたい人に

部屋という商品を提供して

その対価としてお金(賃料)を頂く

 

これは売店と同じで商売、

つまり『事業』です。

 

「家賃収入はインカムゲインではない」

 

とお伝えしたのを覚えていますか?

 

家賃収入を目的とする不動産投資を

株と同じような投資と捉えて

物件情報や数字、データに頼ると

おそらく失敗します。

 

どんなに素晴らしい物件を建てても

そのエリアに住みたい人がいなければ

成り立ちません。

 

多くの人が

 

失敗しない物件

儲かる物件

 

を探そうとしますが

 

物件に焦点を当ててしまうと

なかなかうまくいきません。

 

物件が先にあるのではなく

「そこに住みたい」というニーズが先です

 

物件取得サポートをしていて

 

「この物件どうですか?」

 

という質問を受けることが多いのですが

プロであっても物件の情報だけでは

さすがに判断ができません。

 

そのエリアがどんなところなのか

そこにある『需要』を把握して初めて

その物件で良いかが判断できます。

 

「製鉄所にあるボロボロの売店」

 

という情報だけでは、儲かるかどうか

判断できなかったのと同じです。

 

製鉄所やそこで働く人たちのことを

理解して初めて、その売店が儲かる

理由がわかったはずです。

 

 

物件を調べる前に

そこに住みたいと思う

“人”のことを調べてください

 

 

つまり、投資戦略の段階でやるべきことは

 

どのエリアに詳しくなるか?

 

を決めることなのです。

 

 

エリアに詳しくなるとはどういうことか?

 

 

エリアについて調べる時は

3つのことを意識してください。

 

調査ポイント①:賃貸需要

 

「そこに住みたい」

 

と思う人はどんな人なのか?

 

・年代

・職業

・性別

・家族構成

・ライフスタイル

 

などを調査します。

 

また、賃貸需要は

 

・都市開発

・今の需要を生み出しているものの変化

(学校の移転、工場の建設/閉鎖など)

 

などによって変わります。

 

こういった賃貸需要の変動要素がないかを調べて

 

もしあった場合は、それによって

 

人の流れがどのように変わるか

 

に着目してください。

 

すると、そこに生じるチャンスやリスクが見えてきます。

 

 

調査ポイント②:需要に合う物件の条件

 

そこに集まる人の具体的なイメージができたら

その人が好む物件はどのようなものかを考えます。

 

特に重要なのは

 

・立地(交通/利便性)

・部屋(間取り/面積)

・賃料

 

です。

 

ほぼ全ての人が、立地は気にしていますが

部屋とセットで考えている人

意外と少ないと感じています。

 

「そのエリアに住みたい人はどんな人なのか」

 

を調べた上で

 

「その人にぴったりの部屋はこういう部屋だ」

 

と考えなければならないのです。

 

そのエリアに住みたいと思う人が

どんな生活を望んでいるかさえわかれば

 

そのエリアでどんな物件なら借り手がつくか

自然と見えてくるはずです。

 

 

調査ポイント③:需要と供給のバランス

 

賃貸需要とそれに合う物件のイメージがついたら

そのような物件がどのくらいあるのか

需要と供給のバランスを調べます。

 

賃貸需要を見つけたとしても

それをターゲットにした物件が

すでにたくさん存在するなら入居者集めで

苦戦する可能性が高くなります。

 

 

エリア選定で忘れてはいけないこと

 

 

「そもそも詳しくなるエリアは

どうやって決めたらいいんですか?」

 

もしかしたらそんな疑問がわいてきたかもしれません。

 

「とりあえず東京23区内で人気のある駅」

 

のように考える方も多いですが

そういうエリアはみんな狙っているので

成功できる確率は高くありません。

 

実際に取り組むときは

次の3つの条件を満たすエリアから始めると良いです。

 

条件1:土地勘があるところ

 

行ったことのない、全く知らないエリアのことを

イチから調べるのは大変です。

 

統計を調べたり、実際に行ってみたり

その周辺で賃貸管理をしている会社に

ヒアリングするなど時間と労力がかかります。

 

ですから、これまでの人生で

生活したことのあるエリア付近を選びましょう。

 

 

条件2:行くのが苦ではないところ

 

物件の情報が出てきたときに

すぐに見に行ける場所のほうが

購入の判断が早くできます。

 

また、最終的に判断するまでには

曜日や時間を変えて

何度か見に行く可能性があります。

 

そう考えた場合、今生活している場所から

なるべく近いところのほうがやりやすいです。

 

また、実際に購入することになった場合

管理会社やリフォーム会社の開拓も

しなければなりません。

 

そのあたりを自分でやるなら

会社を一度は訪問したほうがよいので

やはり近いほうがやりやすいです。

 

条件3:地縁があるところ

 

実家のあるところや過去に住んでいた地域で

不動産投資をすると2つのメリットが得られます。

 

1つ目は、物件の情報が入りやすい

という点です。

 

物件情報の中にはインターネットに

公開されないものがあります。

 

特にエリアに根付いた地場の不動産会社は

その傾向が強く、古くから付き合いのある

地元の人間や知り合いに話を持っていくこと

が少なくありません。

 

全く地縁のない人間がそういった情報を

回してもらおうとしても

 

「よそ者は帰れ」

 

と言われるのがオチです。

 

その他大勢のライバルが知らない

格安物件の情報を手に入れるためには

あなたが慣れ親しんだ土地で

活動することが近道なのです。

 

そして、もう1つのメリットが

融資を受けやすいということです。

 

親兄弟、親戚が取引したことがある

地元の金融機関へ相談すれば

有利な条件で融資を受けられる

可能性があります。

 

特に信用金庫はその土地の人間に

好意的になる傾向があります。

 

 

検討ポイント3:銀行の評価

 

繰り返しになりますが、キャッシュフローは

 

家賃収入―(運営経費+ローン返済+税金)

 

です。

 

ローンの返済額は、借入金額が同じであれば、

 

・返済期間が長い

・金利が低い

 

ほうが、月々の返済額は少なくなります。

 

有利な条件で融資を受けるには

金融機関の融資基準の考え方を知った上で

自分が取れる対策を取っていく必要があります。

 

金融機関によって基準が異なりますが

一般的に金融機関の融資基準は

大きく3つに分類されます。

 

ここでは物件に関する部分を解説していきます。

 

金融機関の物件評価

 

物件に対して金融機関が考えることは次の2つです。

 

1:儲かる物件か(事業として成り立つか)

=物件の収益力:収益還元評価

 

2:返済ができなくなった場合、抵当権を実行して物件を競売にかけたときにお金を回収できるか

=土地と建物自体の価値:積算評価

 

このように、銀行の融資基準には「収益還元評価」と「積算評価」の2種類があります。

(実際には「原価法」と「取引事例比較法」という評価法もありますが、割愛します)

 

現在、銀行が特に重視するのが『積算評価法』です。

土地の積算評価額と建物の積算評価額を合算して不動産の価値を算出する方法です。

 

積算評価額=(土地の積算評価額+建物の積算評価額)

 

土地の積算評価額の算出方法は、その土地の

 

前面道路の路線価×面積

 

が基本となります。

 

「路線価」は毎年7月に国税庁が公表する

相続税や贈与税の計算基準となる㎡当たりの単価のことです。

 

全国地価マップで簡単に調べることができます。
http://www.chikamap.jp/

 

 

最初のページの左上に「文字列で探す」という検索ボックスがあるので、ここに物件の住所を入れてください。

 

 

以下のページは東京都新宿区西新宿1丁目の路線価です。

 

 

路線価は千円/㎡で表示されています。

 

2070Aは、207万円/㎡で、借地の場合は評価額が90%になるという意味です。

 

さらに土地の形状や道路との接し方などを加味(個別補正)して、評価額を計算します。

これを式にするとこうなります。

 

土地の積算評価額=路線価×土地面積×個別補正

 

次に建物の積算評価の計算方法です。

 

建物の積算評価額=再調達価格×建延面積×(耐用年数-築年数)÷耐用年数

 

再調達価格は「評価する建物をいま新築した場合の建築費用の平米単価」で、各銀行が独自に決めます。

 

耐用年数は国税庁の定める法定耐用年数と

銀行が独自に定める経済的耐用年数があります。

 

経済的耐用年数は、法定耐用年数より

短めに設定されていることが多いようです。

 

構造

再調達価格

(㎡当り)

法定耐用年数 経済的耐用年数(目安)
木造 12~16万円 22年 20年
軽量鉄骨造 12~17万円 19~27年 20年
鉄骨造 15~18万円 34年 30年
鉄筋コンクリート(RC)造 18~22万円 47年 40年

 

このようにして算出された「土地積算評価額」と「建物積算評価額」を合算したものが

「積算評価額」となります。

 

この積算評価額は、実際に取引される売買価格とは異なる場合がほとんどです。

 

土地も建物も、都市部のほうが地方や郊外に比べて売買価格が積算評価額より高くなる傾向にあります。

 

都市部  : 売買価格 > 積算評価額 → 評価額よりも高く取引される傾向がある

地方・郊外: 売買価格 < 積算評価額 → 評価額よりも安く取引される傾向がある

 

この売買価格と積算評価額の相違が

融資を使って不動産を買い進めるときの

ポイントとなります

 

建物の積算評価を上手に使う

 

ローンの返済期間は建物の耐用年数から割り出されます。

 

例えば、RCの建物の耐用年数は47年です。

 

築20年だとしても、理論上はあと27年は

耐用年数が残っていることになります。

 

土地いっぱいに建つRCマンションであれば

建物の積算評価が出やすく返済期間が長くとれるため

利回りがそれほど高くなくてもキャッシュフローは残ります。

 

ただ、金融機関によって耐用年数の見方が違います。

 

同じ物件でも融資期間を27年引ける金融機関もあれば

10年しか引けない所もあります。

 

仮に1億円の借り入れ(金利3%)の場合

融資期間が27年だと月々の返済は450,700円

返済期間が10年だと月々の返済は965,607円です。

 

購入する物件が利回り10%の物件だとすると、年間の家賃収入は1000万円です。

 

これを月々にすると83.3万円です。

 

45万円の返済と96万円の返済では

キャッシュフローがまったく違います。

 

長い融資を組むと返済額のトータルは増えます。

 

しかし、月々の手残りで考えると返済期間の長いほうが

圧倒的にキャッシュフローは残るのです。

 

積算評価の落とし穴

 

融資を付けるにあたっては、積算評価が大切ですが

キャッシュフローを重視する不動産投資の場合

積算評価を重視しすぎると失敗につながる可能性があります。

 

積算評価が高くても、収益還元評価が低い場合は注意が必要です。

 

土地や建物自体の価値は高いにもかかわらず

キャッシュフローは低いということです。

 

銀行からすれば、仮に返済ができなくなっても

競売にかけて高く売れる見込みがあるので

ある程度は安心です。

 

しかし、買う側からすれば

毎月のキャッシュフローが悪くてお金が残らないので

返済が苦しい展開になってしまいます。

 

「積算価格が高いから、売る時も融資が付いて売れやすいから問題ない」

「毎月の返済は苦しくても、売った時に利益が出るから大丈夫」

 

とおっしゃる方もいらっしゃいますが、その考え方は危険です。

 

なぜなら、10年後、20年後にその物件が

いくらで売れるかは誰にもわからないからです。

 

基本的に不動産は時間の経過と共に価値が下がるものです。

 

毎月の支払いが苦しく、危険な状態を何年も耐えながら

いくらで売れるかわからない未来をあてにするのはお勧めできません。

 

これでは何のために不動産投資をしているのかが

わからなくなってしまいます。

 

毎月手元に今の給料以上のお金が残ることを目指して

不動産投資を始められたはずです。

 

逆に積算評価が低い(売値と離れている)場合でも

収益が回っているのであれば問題ないでしょう。

 

収益が回るということは、あなたの

『賃貸経営の成績が良い』

ということになります。

 

その結果は「確定申告書」に表れ

その後物件を買い進めていく上で

プラスに評価してもらえます。

 

ですので、

 

「融資が引ける物件を買う」のではなく『儲かる物件に融資を引く』

 

ことを肝に銘じてください。

 

特に、ローンと物件をセット販売しているような業者には注意が必要です。

 

「フルローンが付きます」

「自己資金ゼロで買えます」

 

のような魔法の言葉で、キャッシュフローが出ない物件を販売しています。

 

本当に大事なのは、融資が受けられることではなく

不動産オーナーになることでもなく、

キャッシュフローが出ることです。

 

しつこいですが、ここを間違えないようにしてください。

 

検討ポイント4:長期で融資が引けるか

 

目指すは「長期・低金利」ですが

特に融資期間が重要です。

 

融資期間が短いと

月々の返済額が大きくなるため

当然お金は残りにくくなります。

 

融資期間は法定耐用年数をもとにして

金融機関内で厳格に定められています。

 

耐用年数が短ければ短いほど

建物の価値は下がると考えられるので

 

耐用年数がどれだけ残っているか

 

が長期で融資を受ける際に重要になってきます。

 

築浅RCの物件が、長期で融資を受けやすいです。

 

実は、耐用年数切れ物件でも

融資をしてくれる金融機関はあります。

 

ただ、金利が高くなるので

高利回りで状態が良い物件に限られます。

 

 

C.再生事業家タイプ

 

何らかの原因で価値が下がっている物件を買い

自分で物件の価値を高めてから売却したり

賃貸に出して毎月の収入を増加させます。

 

この「何らかの原因で価値が下がっている物件」ですが

次のようなものがあります。

 

・入居率が低いアパート

 

空室が多いアパートは指値が通りやすく

満室にできれば商品として

高く売れる可能性が高いです。

 

『空室になっている原因が解決できるものなのか』

 

を見極めることがポイントです。

 

・物件がボロボロ

 

リフォームの知識や安く施工する技術・労力・人脈が必要です。

 

また、再生した物件に需要がなければ意味がありませんので

再生ノウハウだけでなく

 

「どのように再生すれば需要にマッチするか」

 

というエリアのリサーチもポイントになってきます。

 

・再建築不可

 

再建築不可の物件は安く市場に出ることが多いので

リフォームやリノベーションなどで高利回り物件に

変わる可能性があります。

 

そもそも再建築不可とは

「建築基準法上の道路に2m以上接すること」

という接道義務を果たしていない状態です。

 

周辺の土地を買い取って

接道義務を果たすことができれば

資産価値が高まり

高く販売することができます。

 

ただ、近隣住宅の変化のタイミングを狙ったり

近隣住民と交渉が必要になりますので

ハードルは高いです。

 

・好立地の築古アパート

 

老朽化した建物に資産価値は

ほとんどありませんので

物件を買うというよりは

土地を買うイメージです。

 

入居者の方が全員退去すれば

取り壊してアパート用地として

売却したり、建て替えることができます。

 

購入前に出口を見極めて

最終的に利益が出る計画を立て

実行するノウハウが必要になります。

 

 

ここに挙げたのはほんの一例ですが

このような狙い目には

専門業者が存在するもの多数もあります。

 

本やセミナーでよくある

 

「5万円で買った物件を1000万円で売却」

「利回り200%」

 

のような聞いてワクワクする話は

こういった“狙い目”に関するものが

ほとんどです。

 

実際に取り組む場合は

 

1.1つの分野に絞る(その分野を極める)

2.エリアを限定する(ライバルがいない、活動できる範囲)

3.協力してくれる専門家・パートナーを探す(全部一人でやろうとしない)

4.安い物件で経験を積む(儲けより経験重視)

 

が必須条件となります。

 

 

D.資産家タイプ

 

キャッシュフローは重要視せず

価値が下がらない物件を対象にします。

 

具体的には

 

昔から人気があって土地の値段が高いエリア

 

ということになります。

 

 

4-4-1.融資

不動産投資向けの融資の種類

不動産を買う際に使えるローンは3種類あります。

1:住宅ローン
2:パッケージ型融資(アパートローン)
3:事業性融資(プロパーローン)

住宅ローンは投資用不動産を買うためのローンではなく、購入した本人が住むためのマンションや一戸建てを購入するためのローンです。

他人に貸す目的で不動産を購入する際に住宅ローンを利用することは、住宅ローンの規約で禁止されています。その代わり、用途が限定されていることで、金利は一番低い水準になっていることがほとんどです。

なので、アパートやマンションなどの集合住宅を一棟丸ごと購入するためには利用できません。

投資用不動産を買うためにはパッケージ型融資(アパートローン)か、事業性融資(プロパーローン)を利用することになります。

・パッケージ型融資(アパートローン)
不動産投資を行おうとしている個人向けに用意されたもので、融資金額、金利、融資期間などの基準があらかじめ決まっている融資です。

返済原資は確実に入ってくる給与所得からの返済を想定しており、審査は申込者の属性(年収、勤務先、年齢など)を基準に行われます。借り入れできる金額は年収の何倍までという基準があるケースが多く、基準さえ満たせば比較的容易に融資を受けることができます。

見方を変えると、

「購入しようとしている物件の良し悪しに関係なく、購入しようとしている人の属性が高ければ融資をする」

ということです。

不動産会社の主催するセミナーに参加して
担当者と購入する物件について
相談することがあるかと思います。

その時に

「あなたの年収だとこれぐらいの規模の物件を買えます」

と言われることがあります。

それは、その不動産会社が

「売ろうとしている物件」

「いつも取引している金融機関」

「パッケージ型融資(アパートローン)を利用して」

あなたが買えるかどうかをコメントしているだけです。

『この物件を購入してあなたが目標を達成できるか』

という視点のアドバイスではないことが
ほとんどだと思われますので、注意が必要です。

パッケージ型融資(アパートローン)を使うメリットは

融資の基準が明確なので

「融資を受けられるか」

を瞬時に判断できることです。

買付をすぐに入れられますし
審査期間が短く決済までの期間も短いので
短期間で購入できます。

・事業性融資(プロパーローン)
事業の運転資金や設備投資のための事業者向け融資です。不動産投資を事業とみなして、案件毎に融資額・金利・期間などの条件が決まります。個人、法人どちらでも利用でき、事業計画、自己資金、担保評価・今までの取引状況等をふまえて総合的に判断されます。

すべては金融機関との交渉次第です。融資額や融資期間について柔軟性のある対応を期待できる場合もあります。その代わり、審査期間が長くなる傾向があります。

金融機関は保証会社の保証を利用せず、独自で貸付先の信用度を見極め、自らの判断と責任に基づいて貸し出しますので、連帯保証人が原則必要となります。

パッケージ型融資と事業性融資の比較

項目 パッケージ型融資 事業性融資
対象 個人(個人で設立する資産管理法人含む) 事業者(個人・法人問わず)
内容 既成 オーダーメイド
金利 比較的高い(1.5~4.5%以上) 比較的低い(1.0~3.0%)
審査機関 短い 長い
融資期間 長期 短期~中期
限度額 低い(年収の2~30倍) 高い
借りやすさ やさしい 難しい

パッケージ型融資(アパートローン)は、融資は受けやすいものの、家賃収入が返済原資としてみなされないため、融資限度額は年収によって制限されてしまいます。脱サラや早期リタイアを目指して、年1,000万円程度のキャッシュフロー獲得を目標にする場合は、5億円程度の投資規模が必要になるため、事業性融資(プロパーローン)の利用がほぼ必須になります。

基本的に、最初は個人の属性で借入ができるパッケージ型融資で進めることになりますが、ゆくゆくは事業性融資を受けられるように取り組んでいきましょう。

具体的には、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)を見て
・収益が回っているのかどうか
・自己資本比率
・債務超過になっていないか
・事業が5年後、10年後にどうなっていくか
などが評価の対象になります。

金融機関の種類と特徴

金融機関には種類があります。
それぞれ特徴が異なりますので、
まずは全体像をおさえておきましょう。

政府系金融機関:

不動産投資で活用できるのは
①商工組合中央金庫(商工中金)
②日本政策金融公庫(公庫)
の2つです。

①商工中金は初心者にはハードルが高く、ある程度の規模がある法人でなければ利用が難しいです。

②公庫は利用しやすい金融機関のひとつです。不動産投資に融資するというよりは、不動産賃貸業を開業することに対して融資をしてくれます。

公庫を使う主なメリットは以下です。

・日本全国、耐用年数切れでも融資してくれる。
・低金利かつ固定なので、金利上昇リスクがない
・500万円以下の小規模の融資にも積極的
・途中で売却してもペナルティがない

一方、デメリットとしては
・融資期間が短いため(10~15年程度)、高利回りでないとキャッシュフローが出ない
・融資額の上限は4800万円

ただし、女性・20代・55歳以上の方は、返済期間や融資額の上限が優遇されます。

都市銀行:

低金利で日本全国が融資対象ですが、物件の規模は数千万円から数億円、自己資金も3割程度必要です。不動産投資の初心者には融資を検討する土俵にすら上がれず、なおかつよほどの高属性でないと相手にされません。
その中でも不動産投資に対して比較的前向きなのが

・三井住友銀行
・りそな銀行

地主や金融資産が豊富な資産家に対してのみ融資を行うのが

・みずほ銀行
・三菱UFJ銀行

です。

不動産投資の実績が積み上がってきて、規模を拡大するタイミングになってはじめて検討する金融機関になります。

地方銀行(地銀)・第二地方銀行(第二地銀):

地域密着型のため、自宅や物件の所在地がエリアになければ融資をしてくれません。「地域の発展のために融資する」という大義名分があるため、現地で法人の設立を求められることもあります。
一般的に、地銀は大きな会社の事業用資金
第二地銀は、個人の生活費や個人事業に対する
少額の資金に対応するという住み分けです。

数百万円から数千万円でも融資をしてくれ、自己資金も1~2割程度ですので、使いやすい金融機関と言えます。

不動産投資に積極的に融資をしていると言われているのは
「スルガ銀行」と「静岡銀行」です。

不動産投資専用のローンを用意しているため非常に利用しやすいのですが、その代わりに金利が高く設定されています。

信用金庫:

信用金庫も地域密着型のため、自宅や物件の所在地がエリアになければ融資をしてくれません。
物件の積算価値や、耐用年数にこだわらないこともあるので、築古で土地の価値が高い物件や、収益性は高いけれど積算価格が低い物件の購入に際して利用価値が高いです。

ノンバンク系:

預金業務を行わず、貸付だけを行う金融機関を指します。
借りやすいのが特徴ですが、金利が高めになります。
・築年数が古い物件
・担保評価が出づらい物件
・属性が低い

など、銀行では融資が受けられない場合でも
融資を受けられる場合があります。

ただ、見方によっては
物件に収益性や担保力がないことを
個人の信用で補っているとも取れます。

収益性の良くない物件を
ノンバンクを使って購入すると
その後の規模の拡大に
悪影響を与える可能性もあります。

ですので、

ノンバンクで融資を受けられるからといって
安易に購入しないよう注意が必要です。

同じ金融機関でも支店によって
融資姿勢は大きく異なる

まず、支店長によって大きく融資姿勢が異なり、担当者レベルでも変わります。
ここでお伝えしているのはあくまでも”傾向”です。
最終的にはアプローチしてみないと分かりません。

投資対象に応じた融資の基本戦略

・低利回り築浅RC
地元の地方銀行や信用金庫で低利・長期の融資を受ける

・高利回り築古物件
1:ノンバンク系で高利・長期で融資を受ける
→数年後、借り換えや金利交渉で金利を下げる

2:日本政策金融公庫で融資を受け、半年後に信用金庫で長期に借り換える。

 

次に、融資の観点から個人と法人の違いを解説します。

1:個人で融資を受ける場合

給与など、個人の所得に対する返済比率を見られます。

そして、銀行間の信用情報機関に融資額が開示されます。
個人債務の大きい投資家は警戒されます。

どんなに属性が良くても借入総額が3億円程度で
融資が受けられなくなる可能性があります。

2:法人で融資を受ける場合

法人を設立し、自ら法人の連帯保証人になる
という形式を取ります。

あくまでも法人への融資のため
基本的に個人の融資額は表に出ません。

やり方次第では3億円を超えて
融資を受けることができます。

また、法人は節税の選択肢が広いため
キャッシュフローを重視する場合は
メリットが大きくなります。

・目標を達成するためには、どのくらいの規模まで物件を買い進めていく必要があるのか?
・現在の個人の借入額

をふまえてどちらで融資を受けるか
検討することになります。

 

では、実際に投資戦略を立てるステップを解説します。

1:融資を受けられる可能性のある金融機関をピックアップする

投資戦略で決めた投資対象とリソースを見ながら
融資条件を満たす金融機関をピックアップしていきます。

ステップ1:居住地エリアが融資対象の金融機関を探す

居住地で融資を受けられる金融機関が決まります。

居住地にある金融機関を
インターネットやタウンワークを見て
リストアップします。

また、勤務先の所在地エリアも融資対象になり得るので
合わせて調べておきましょう。

ステップ2:融資の種類を確認する

金融機関によって、不動産投資で活用できるのが
パッケージ型融資(アパートローン)なのか
事業性融資(プロパーローン)なのか
が異なります。

自分が受けようとしている融資の種類によって
使える金融機関が変わってきます。

ステップ3:融資が受けられる物件か確認する

物件の種類によっても融資するかどうかが
定められています。

・RC造の1棟マンション(築30年未満/それ以上)
・一棟アパート(新築/中古/築20年以上)
・区分マンション(1000万円以上/それ未満)

など、様々な条件があります。

また、

・再建築不可
・借地権
・既存不適格

など特殊な物件の扱いについても
金融機関によって異なります。

投資対象とする物件はどの金融機関で
融資を受けられるのか確認しましょう。

ステップ4:属性が基準を満たすか確認する

賃貸経営の実績が無い最初の1回目の融資付けが
一番難しく、個人属性で左右されます。

具体的には

・年収
・自己資金

の2つで融資可能か判断されます。

個人の属性の良い人は、不動産の評価が
あまり良くなくても融資を引くことができます。

言い方を換えれば、

儲からない物件でも個人の信用で融資が引けてしまう

ということです。

ですので、年収が高く貯蓄のある方は注意が必要です。

たとえ融資が引けたとしても
それは物件が評価されたのではなく
あなたの属性が評価されただけかもしれないのです…

2:融資内容を確認する

金融機関によって

・借入期間
・金利

が変わってきます。

ここまで選別してきた金融機関の
借入期間と金利の情報を集めておきましょう。

3:金融機関の格付けを確認する

金融機関は階級社会と言われています

金融機関は、自分の所よりも下の階級で
融資を受けている人に対しては、融資をしたがりません。

トップに君臨するのが都市銀行、
次が地銀、第二地銀、信用金庫、信用組合と続き
最後がノンバンクです。

そのため、一番下のノンバンクで借りると
低い金利で借りられる都市銀行やその次の
地銀などから融資を受けにくくなってしまいます。
(公庫は影響しません)

金利を下げるためにノンバンクから
地方銀行などへ借り換えようとしても難しいです。

個別相談を受けているとノンバンクで借りていて
高い金利のせいでキャッシュが残らず
次の物件も買えないと言って
行き詰まっている方は少なくありません…

もちろん、ノンバンクが必ずしも
ダメというわけではありません。

・年収などの問題で上位の金融機関が使えない
・どうしても自己資金が出せない
・融資期間が短い
・エリアの問題
・旧耐震物件
・既存不適格物件
・再建築不可物件

といったケースでは、日本政策金融公庫や
ノンバンクを選択するケースもあります。

ここでお伝えしたいのは、

戦略なしに金融機関を選択してしまうと
金利の高い返済から抜け出せず収益が圧迫し
儲からない物件を持ち続けることになる

ということです。

よく犯してしまう過ちが

今の状況で融資をしてくれる金融機関を探してしまう

ということです。

金利が高いのに、融資期間が短いのに
融資を受けられるからというだけの理由で
物件を買ってしまう方がいます。

買うことが目的になってはいけません

不動産投資をやる目的を見失い

「物件が欲しいから」
「不動産オーナーになりたいから」

という感情のままに動いてしまうと
ほぼ確実に失敗します。

「融資してほしい金融機関を先に決めて
そこで借りられるように自己資金を貯めたり
実績を作る」

くらいの心構えで取り組まなければなりません。

なるべく上位の金融機関から借りられるように

・給与収入、事業収入などを貯める
・他の資産を売却する
・金融機関以外から借りる

など、

「どうすれば自己資金を増やせるか」

というテーマに試行錯誤、創意工夫をもって
取り組むことが融資をつかみとる秘訣です。

今いる地点から考えるのではなく
ゴールから逆算する

これが戦略を立てるときのコツです。

4:コネをつくる

個人の属性が良ければ、飛び込みで行っても
相手にしてもらえるかもしれませんが
基本的には相手にされないことが多いです。

貸したお金は必ず返してもらわなければなりません。

銀行からすると、知らない人が突然やってきて
「お金を貸してください」
と言われているわけで

その人物を信用してよいのか
見極める必要があります。

また、融資を実行するにあたっては
上司や鑑定士など関係者を巻き込みます。

巻き込んだ結果、融資実行につながらなかったら
関係者に迷惑がかかり、今後の仕事が
やりにくくなってしまいます。

銀行の担当者も会社員です。

限られた時間の中で成果をあげなければなりませんし
基本的に忙しいです。

実行される可能性が低い、よくわからない案件に対して
積極的に動くわけにはいかないのです。

信頼は移動する

ある方が飛び込みで融資の相談をして断られたそうですが
そのあとに同じ金融機関に対して同じ物件の融資のご相談で
付き合いのある担当者をご紹介したところ
審査が通ったこともあります。

特に地方銀行や信用金庫の場合、
個人の属性が大切なのはもちろんなのですが
それよりも重要なことは

どこから持ち込まれた融資案件なのか

ということです。

もちろん一定のルールや基準はありますが、コネの有無によって
条件やそもそも土俵に上げてもらえるかなど、かなり影響を受けます。

「えっ、コネで融資が有利になるんですか?」

と思ったかもしれませんが、実際コネは融資に影響を与えます。

そのため、金融機関の担当者とつながりがある
不動産業者と関係を築いておくことは
有利な条件で融資を引く上でのカギとなります。

有利な条件で融資を勝ち取るコネの作り方

不動産業者のセミナーに参加したり、物件の問い合わせをするなどして営業担当者とつながる機会があったときは、次の質問をして関係を築くべき相手かを見極めましょう。

・その担当者の融資付けの実績
・会社がどの金融機関と取引をしているか(会社自体が融資を受けているか)

特に地方銀行や信用金庫から融資を受けるには
その地域に根差して誠実な仕事を行い
信用を積み重ねなければなりません。

あなたが地方の物件を検討しているのなら
地場の金融機関で融資付けの実績がある担当者を探しましょう。

もしパートナーにできれば、融資の面ではかなり有利に
物件購入を進めることができます。

賃貸経営は地場産業であることを忘れないでください

融資姿勢の変化に注意

国の政策や経済状況などによって各金融機関の融資に対する姿勢は変化します。情報は常に取りに行き、必要に応じて戦略を見直す必要があります。