3-3-1.自分の不動産投資タイプを知る

不動産投資をする目的とリソースによって
向いているタイプと向いていないタイプが
決まります。

不動産投資タイプが決まると
資金調達の方針や投資対象とする物件など
具体的な投資戦略が
立てられるようになります。

自分の不動産投資タイプを知ることが
投資戦略を立てる最初の一歩なのです。

2-1.戦略を立てるのに必要な2つの要素

3年以内に年間手残り1000万円
という同じ目標を持った
AさんとBさんがいるとします。

Aさんは高学歴で上場企業の部長職
既婚者で使える時間は1日1時間
年収1500万円で貯金が500万円
とします。

どんなふうに取り組めば
目標を達成できそうでしょうか…?

まず、使える時間が少ないので
自分の代わりに動いてくれる人を
どれだけ集められるか
がポイントになってきます。

例えば、学生時代の友人をあたって
税理士や弁護士、銀行勤めの人がいれば
協力してもらえるかもしれません。

同僚や取引先で同じような
属性、資産状況の人の中から
不動産投資で成功している人を探して
パートナーを紹介してもらうのも手です。

そして、融資が受けられそうなので
規模の大きい物件を買い進めて
キャッシュフローを重視した
取り組みが基本戦略になりそうです。

一方、Bさんは独身でニート、
使える時間は24時間、実家暮らしで
貯金が500万円あるとします。

Bさんは融資が受けづらいので
現金で買える物件を探すことになるでしょう。

短期間で大きな利益を得るには
価格帯の低い物件を
できるだけ安く買って高く売り
売却益を狙うしかありません。

時間があるので、物件探しや
不動産会社との関係づくりに
多くの時間を費やせますし

自分でリフォームをすれば
コストも削減できます。

足を使い、手を動かす。

時間の使い方次第で
目標を達成できるかが決まるでしょう。

このように、同じ目標を達成する場合でも

・使える時間
・使えるお金
・持っているスキル、知識、人脈
・持っている情報
・信頼度(属性、資産状況)

これらの『リソース』によって
取り組み方(=戦略)は全く変わってきます。

つまり、

・目標設定
・リソースの洗い出し

この2つが戦略を立てるはじめの一歩なのです。

2-2-1.リソースを棚卸しする

目標が同じでも、今のあなたに
どのようなリソースがあるのかによって
取るべき行動やアプローチが変わってきます。

不動産投資はライバルとの物件の奪い合いです。

自分が持っているリソースを
最大限に活用しなければ
なかなか勝つことは出来ません。

戦略を立てる前に、
今自分が活用できるリソースには
どんなものがあるのか整理しておきましょう。

リソースは次の項目について考えてください。

1:資産

今持っている不動産や金融資産だけでなく
経済的な価値のあるものをできるかぎり書き出してください。

現金以外のものは売って
自己資金に充てることも検討しますので
売ってお金になるようなものを含めて
思いつく限り書き出してください。

2:人脈

ここでいう人脈とは、

・自分が困った時に助けてくれる人
・自分のために行動を起こしてくれる人

のことです。

・家族
・親族
・友人
・取引先
・ビジネスパートナー

といった切り口で挙げてください。

不動産投資と直接結びつかない人でも構いません。

3:時間

月曜日から日曜日まで、
それぞれどのくらい不動産投資に
時間を割けるかを数字で出してください。

時間があれば、多少手間のかかる物件でも運用できます。

しかし、時間がなければ
手間のかからない物件やチーム作りを
優先しなければなりません。

また、やるべきことがたくさんある中で

「自分で対応する範囲」

を考える上でも、

自分が使える時間を意識することは重要です。

4:知識・経験・スキル

専門スキルや得意分野は
パートナーとの関係づくりで活かせることがあります。

毎月の家賃収入を得るための不動産投資は事業です。

事業にはパートナーが必要で、
パートナーとの関係づくりの秘訣は
Win-Winの関係になることです。

そのためには相手に何らかの価値を与えることが大切です。

これは実際にあったことですが、

プレゼンテーションの得意な方が
あるセミナーの資料作りをサポートしてくださり
とても助かったことがあります。

その方には物件を優先してご紹介したり
今も良いご関係を続けさせて頂いています。

与えられる価値が無ければお金を払うしかありません。

仕事だけでなく、プライベートも含めて

「自分はどんなことで力になれるのか?」

一度よく考えてみてください。

5:信頼度

属性や不動産投資での実績がこれにあたります。

融資を受ける場合も、
協力してもらう専門家と関係を築く上でも
あなたが信頼できる人物なのかが重要です。

金融機関や不動産会社をはじめとする関係者から見て
あなたの信頼性につながるものにはどんなものがあるか
洗い出してみてください。

2-3-1.目標を設定する

目的が明確になったら
そこから逆算して目標を設定します。

不動産投資の目標は

・いつまでに(期限や期間)
・いくら(金額)

の2つの観点で設定しましょう。

目標はより具体的に、

「3年以内に年間手残り1000万円」
「5年以内に現金3000万円」

のように数字で表すことが大切です。

ただし、

目的に沿った具体的な使い道から金額を積み上げて
本当に必要な金額を導き出してください。

一番大切なことは

『自分の心の声が反映された目標』

になっているかということです。

目標が具体的になったら
達成する期限を明確にします。

期限がないということは、
達成する必要性がないということです。

そのような目標は達成できずに終わることがほとんどです。

これはひとつの指標ですが

税引き後の手残りで
年間1000万円を達成するには
5億円の規模が必要

というのがあります。

目標金額と期間によって
購入する物件の価格帯や
投資規模が変わってきます。

最後に、目標を設定したら
棚卸ししたリソースをふまえて
現実的な目標になっているか
チェックしてください。

例えば、

・50歳
・東京でタクシー運転手をしている
・借金が500万円

という状態から不動産投資で

「1年以内に現金1億円」

は正直難しいと思います。

無理な目標は、ただの
“願望”で終わってしまいます。

ですので、

なるべく現実的な期間と金額を
設定してください。

その目標を達成したときに
また次の目標を立てれば良いのですから。

1-1.不動産投資で最初にやるべきこと

あなたの不動産投資における目標は何ですか?

不動産投資で月々の収入アップを
目指している方に聞いてみると

「年収1000万円」

とおっしゃる方が少なくありません。

そこでさらに、

「なぜ1000万円なんですか?」

と聞くと、

「なんとなく区切りがいいから」
「今の給料と同じくらいだから」
「とりあえず成功したと言えそうだから」

のような答えが
返ってくることが多いです。

残念ながら、こういった回答をする方で
成功している方は私の知っている限り
一人もいません。

多くの人は

「何のために不動産投資をするのか?」
「不動産投資を成功させて最終的にどうなりたいのか?」

という動機の部分、つまり

『目的』が欠けています

このままでは成功できない理由は
大きく2つあると考えています。

まず、目的があいまいだと

・モチベーションが上がらない
・不動産投資の優先順位が低い

となって、積極的な行動に
つながりにくいからです。

不動産投資を専業でやっている人や
プロの業者と同じ土俵で
物件の取り合いをするのに

不動産投資 < 仕事

という優先順位では勝つのは難しいです。

情報が出てきたらすぐに動かないと
チャンスを逃してしまいます。

不動産投資をする目的が明確なら

この物件が買えれば目標達成に大きく近づく

というような優良物件が出てきた時に
仕事よりも不動産投資を重視したほうが
良いという判断ができるようになります。

もう一つの理由は、
買うべきではない物件に手を出してしまう
可能性が高くなるからです。

不動産投資で不労所得生活を目指している方は
比較的多いです。

しかし、

「不動産で収入は得られるようになったけど
手間がかかって仕方がない…」

という状況になった場合、
果たしてそれは成功と言えるのでしょうか?

不労所得を目指すのであれば
収益性以外にも、手間や管理会社など
注意すべき点が色々と出てきます。

収入やライフスタイルなど、
自分が心から望んでいる将来を基準に
取り組まなければ、

望んでいる結果とは違う方向に
進んでいってしまうのです。

ただ、目的と言っても

「セミリタイアした話を本で読んだから」
「不労所得でラクしたいから」

といった、他人の影響を受けただけの
薄っぺらい動機だったら
おそらくうまくいきません。

年収1000万円が欲しい理由は、

定年退職したあと
毎月1回、妻と旅行に行って
趣味のギターを週に1回
プロの先生に習って、他には…

という感じで明確なビジョンを
具体的に答えられる人は
うまくいく可能性が高いです。

ですので、物件を探す前に

「不動産投資を成功させて最終的にどうなりたいのか?」

を明確にしておくことが大切です。

ただ、ここで一つ注意しなければならないのは

他人の影響を受けていない本当の心の声

を聞くということです。

他の人と比べていませんか?

テレビや雑誌で取り上げられた
成功者を追いかけていませんか?

まず自分の心の声を聞いて
不動産投資をする目的を
はっきりさせなければ

やること全てが中途半端になって
目的に沿った物件は買えません。

そして、

「不動産投資で成功するぞ!」

という100%の決意で取り組んでいる人が
成功を手にできる人なのです。

1-2.成功者に学ぶ

まず、世界的に成功をおさめている人が
どのくらいのレベルで目的を明確にして
将来のビジョンを描いているか
実際にみてみましょう。

それがわかる例を3つご紹介します。

サッカー選手の本田圭佑さん、野球選手のイチローさん、ゴルフ選手の石川遼さんの卒業文集です。

以下、引用です。

『将来の夢』 本田圭佑

ぼくは大人になったら、世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる。

世界一になるには、世界一練習しないとダメだ。だから、今、ぼくはガンバッている。今はヘタだけれどガンバッて必ず世界一になる。

そして、世界一になったら、大金持ちになって親孝行する。

Wカップで有名になって、ぼくは外国から呼ばれてヨーロッパのセリエAに入団します。そしてレギュラーになって10番で活躍します。一年間の給料は40億円はほしいです。プーマとけいやくしてスパイクやジャンバーを作り、世界中の人が、このぼくが作ったスパイクやジャンバーを買って行ってくれることを夢みている。

一方、世界中のみんなが注目し、世界中で一番さわぐ4年に一度のWカップに出場します。セリエAで活躍しているぼくは、日本に帰りミーティングをし10番をもらってチームの看板です。ブラジルと決勝戦をし2対1でブラジルを破りたいです。この得点も兄と力を合わせ、世界の強ゴウをうまくかわし、いいパスをだし合って得点を入れることが、ぼくの夢です。

『僕の夢』 鈴木一朗

僕の夢は一流のプロ野球選手になることです。そのためには中学、高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるようになるには練習が必要です。僕は三歳の時から練習を始めています。三歳から七歳までは半年ぐらいやっていましたが、三年生の時から今までは365日中360日は激しい練習をやっています。

だから、一週間中で友達と遊べる時間は五、六時間です。そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。そして、その球団は中日ドラゴンズか、西武ライオンズです。ドラフト入団で契約金は一億円以上が目標です。僕が自信のあるのは投手か打撃です。

去年の夏、僕たちは全国大会に行きました。そしてほとんどの選手を、見てきましたが自分が大会ナンバーワン選手と確信でき、打撃では県大会四試合のうちホ-ムラン二本を打ちました。そして全体を通した打率は五割八分三厘でした。このように自分でも納得のいく成績でした。そして僕たちは1年間負け知らずで野球ができました。だからこの調子でこれからもがんばります。

そして、僕が一流の選手になって試合に出られるようになったら、お世話になった人に招待券を配って応援してもらうのも夢の一つです。

とにかく一番大きな夢は野球選手になることです。

『将来の自分』 石川遼

二年後…中学二年生、日本アマチュア選手権出場。
三年後…中学三年生、日本アマチュア選手権(日本アマ)ベスト8。
四年後…高校一年生、日本アマ優勝、プロのトーナメントでも勝つ。
六年後…高校三年生、日本で一番大きいトーナメント、日本オープン優勝。
八年後…二十歳、アメリカに行って世界一大きいトーナメント、マスターズ優勝。

これを目標にしてがんばります。最後のマスターズ優勝はぼくの夢です。それも二回勝ちたいです。みんな(ライバル)の夢もぼくと同じだと思います。でも、ぼくは二回勝ちたいので、みんなの倍の練習が必要です。

みんなが一生懸命練習をしているなら、ぼくはその二倍、一生懸命練習をやらないとだめです。ぼくはプロゴルファーになって全くの無名だったら、「もっとあのときにこうしていれば…」とか後悔しないようにゴルフをやっていこうと思います。

来年には埼玉の東京GCで行なわれる「埼玉県ジュニア(中学の部)」で優勝したいです。今は優勝とか関係ありません。中学生になってからそういうことにこだわろうと思います。高校生で試合に優勝すると、外国に招待してくれます。その試合で世界から注目される選手になりたいです。

ぼくは勝てない試合には今は出ません。

ぼくの将来の夢はプロゴルファーの世界一だけど、世界一強くて、世界一好かれる選手になりたいです。

さて、どんなことを感じましたか…?

この3つの例にはいくつかの共通点があります。

・ゴールが明確であること
・ゴールまでの道のりが見えていること
・ゴールするために何が必要か認識していること
・ライバルを意識していること
・とにかく具体的であること(数字や固有名詞で表されている)

などが挙げられます。

あなたは

「不動産投資をしてどうなりたいのか?」

について、

この3人のように具体的かつ鮮明に
頭の中に描けているでしょうか?

あなたが不動産投資をする目的や
不動産投資で成功を収めたときのことを
どれだけ具体的にイメージできているかが
成功の土台、原動力になります。

次のエクササイズで
あなたにとっての不動産投資での成功を
具体的かつ鮮明に描いてみてください。

1-3-1.目的を明確にする

不動産投資をする目的は
次のような分類で書き出してみましょう。

1.欲しいもの/買いたいもの
2.健康/肉体の分野
3.家族/人間関係の分野
4.目標とする人物
5.趣味の分野
6.ビジネス/仕事の分野
7.理想のライフスタイル

誰かが言った成功の定義ではなく
あなたの心の中にある願望です。

必ず紙に書き出してみてください。

できれば1回ではなく、
3回やってみてください。

繰り返すうちに心の深いところにある
あなたの本当の願望が出てきます。